■ 「てにをは」の使い方                      
 「てにをは」とは、助詞の古い呼び名です。
 昔、漢文を読む際、漢字の周囲に点を打ち、その位置で読み方を示す方法があり、
 左下から順に四隅をテニヲハとあてたことに由来します。
 元来は、助詞だけでなく、助動詞、接尾語など、補助的な働きをするものの総称でした。
 明治の辞書・言海は語法指南(文法解説)のページに品詞名として掲げ、
 本文で「行きて見る」「馬に乗る」「花を見る」「風は吹く」と例を挙げています。

 ええ、要するに、「は」「を」「が」「も」「に」など、語句と他の語句との関係を示したり、
 陳述に一定の意味を加えたりする文字が、「てにをは」と呼ばれます。

 「てにをは」の使い方を誤ると、文章のつじつまが合わなくなるので要注意です。

●間違った例
 彼は帰ってきたら、教えてください。

●正しい例
 彼が帰ってきたら、教えてください。

 間違った例の文章は明らかにおかしいですよね(笑)。
 この「てにをは」の中で、特に使い分けが難しいのが「が」と「は」です。
 「が」は好きなこと、能力、希望などに使います。また「は」より古い情報に使います。
 「は」は、新しい情報に使います。
 「が」より主語を目立たせることができ、比較したり区別したりする場合に使います。

●例
 私は本を読むことが好きです。
 私は本を読むことは好きです。

 上の例文を比較してみましょう。
 「本を読むことは好きです」と書いた場合、
 複数ある好きなモノの1つとして好きだというニュアンスになります。
 「が」を使った場合の方が、好きだという感情が強く伝わります。

●例2
 私は一冊の本を10分で速読することができます。
 私は一冊の本を10分で本を速読することはできます。

 「は」を使った場合、速読することはできるが、他の何かができない。
 あるいは、本を10分で速読する以上のことはできないような印象を与えます。
 「が」を使った文章に比べて、自信が無いような感じになります。

●例3
 彼が会社にやってきた。
 彼は会社にやってきた。

 「は」を使った場合は、彼がたったいま会社にやってきたような意味になります。
 一方、「が」を使った場合は、彼が会社にやってきたのは、
 少し前のような意味になります。 
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